いやあ、なかなか強烈な映画でした。パルムドール、アカデミー作品賞など前評判は相当なものでしたが、予告編すら観ず、妻が借りてきたDVDで初めて観ました。
多くのレビューがネットに転がっていますので細かな内容には触れませんが、やはり前半のユーモア満載の乗っ取り劇と後半のミステリーというかホラーというか、この流れが本作品の魅力の一つであることは間違いありません。
そして何より格差の現実を物理的な上下を効果的に使い、この格差を抜け出すことの難しさを臭いで表現する、この卓越した演出により否が応でも格差社会を実感させられます。
そして「計画」というキーワード。半地下の父親は計画の無意味さを説き、息子は最後に叶うはずのないであろう計画で父親を救おうと考える…いやあ、秀逸な作りです。
韓国映画特有の濃い空気を吸い込んでしまった胸糞悪さと、それを直視出来ない自分の弱さを引きずってしまうこの感覚。。。ポン・ジュノ監督の思惑にまんまと嵌められました。
社会派映画でもありますから、考えさせられることは多いですが、気持ちを切り替えて、
金持ち家族の娘役、チョン・ジソ。かなりな小悪魔でしたが、何とも可愛い。こんな娘に家庭教師した日にゃ普通でいられないでしょ笑。
その一方で金持ち家族の母親役、
世間知らずの美人若奥様のイメージにぴったり。何であそこでヤっちゃうのか笑ってしまいますが、あれも大雨の日の格差を示してるんでしょうね。
と、ちょっと明るい話題に振りましたが、作品そのものは単純に面白かったと言えない色んな感情が混ぜこぜになったような感覚です。
これは勿論、褒め言葉です。
超一級の映画で無いと、なかなかこんな感情にはならないだろうからね。